BENETTON 写真展
1998年 ホテルメリディアン(お台場)のオープニングイベントとして BENETTON写真展 の施工をしました。
当初の打ち合わせで、イタリアと日本の偉い人たちが模型を見ながら鉄パイプで組み上げる相談をしていました。
ほぼ部外者だった私が冗談半分で「竹がいい」とつぶやいたところ、
「バンブー OK!」とベネトン社長。
その場にいた大手ゼネコンの方々は、
「竹で組むのは危険だから」と辞退され、
まさかの自分がやることになってしまいました。
イタリアの世界的な写真家トスカーニの作品は3m×6mの巨大なもので、それをホテルのアトリウムの空中に24枚飾るというとてもハードなミッションでした。
BENETTONサイドからは青い竹をリクエストされたのですが、青竹は水分を含んでいるので完成後に竹が縮んでしまうので尚更不安でした。
はたしてほんとうに巨大なヤグラを竹で作れるのか自分にもわかりませんでしたがもうやるしかありませんでした。
日本でも少し前なら建築用の足場として竹を番線で締めて使っていたようですが、その当時でも竹を縛れる職人さんはもうほとんどいなくなっていました。
知り合いの造園業の親方に相談したところ、翌朝には実際に6メートルのスパンで竹を組んでその上に登り、「ほら大丈夫!」と。
このスーパーマン親方のおかげで600本の孟宗竹を山から切り出し、枝を払い、カットして磨き上げ、巨大な竹のヤグラを完成させることができました。
ちなみにホテルの現場に集まった竹の職人さん達の平均年齢は70歳を超えていました。(なんとお婆さんもメンバーに入っていました)
まさに "ミラクルな現場仕込み" でした。
この時の様子が動画に残ってないのが残念でなりません。