箪笥とクローゼット
私の故郷佐世保には米軍基地があります。
子供の頃は親戚が外人バーをやっていたこともあって、ネオンサインとかピンボールマシンなどキラキラピカピカしたものが好きでただただアメリカの文化に憧れていました。
家具を作りはじめた頃も日本の建築や文化には目もくれずに西洋家具のコピーに没頭していましたが、さすがにしばらくするとそういう自分が恥ずかしくなりモノマネ家具は終了しました。
その後やっと自分のデザインでオリジナルの家具を作るようになりましたが、箪笥のオーダーはあまりありませんでした。
畳の部屋が減りフローリングとクローゼットの暮らしが多くなったからだと思われるのですが、私はインテリアとしても箪笥(チェスト)はとても重要なものだと考えています。
ソファの暮らしをする日本人が増えてきて、反対に畳に憧れる外国人がいたりする時代になりました。どんなライフスタイルであっても、主役はあくまでも人間です。インテリアだけがカッコイイ空間にはしたくありません。
"そこにいる人を素敵に見せる" ような家具と空間を作りたいと思っています。